『ウニコリスモ』にまつわるShhhhhのインタヴュー

d0010118_18574215.jpg アルゼンチンのブエノスアイレスにはロス・アニョス・ルスという、少々風変わりなレーベルがあります。
アヴァンギャルドでありながらポップ、プリミティヴでありながらフューチャリスティックなアーティストがズラリと並び、楽曲のカラーもさまざま。ただ、その軸には南米各地のフォルクローレがあって、単にキテレツなことをやってるだけではないところが本レーベルの魅力です。

このロス・アニョス・ルスの音源をまとめた日本編集盤が、先頃リリースされた『ウニコリスモ』。
先日亡くなったハミロ・ムソットを筆頭に、サンチアゴ・バスケスやアクセル・クリヒエールらの楽曲を収め、新時代のフューチャー・フォルクローレの面白さを楽しく伝えてくれる素晴らしい内容となっています。
選曲を手掛けているのは、吉祥寺CHEEKYでやってるパーティー「DESCARADO!」の仲間であるShhhhhくん。彼のDJとしてのスキルとセンス、そして人脈を総動員して、辺境音楽の堅苦しくないガイドブックになっているところは流石。
リマスタリングを施しているため、各曲ともに音がブ厚くなっている点もミソで、僕もよく本コンピ収録曲をDJで使っています(そういえば、昨夜のDJでも2曲ほど使わせてもらいました)。

前置きが長くなりましたが、以下はそんなShhhhhくんにメール・インタヴューしたもの。「LATINA」誌の原稿用に取らせてもらったもので、こちらがインタヴューの全文。校正は一切していませんが、とても面白い内容ではないかと思います。
Shhhhhくんとは古くからの交遊関係がカブってるので、多少ローカルな名前も出てきますが。

なお、『ウニコリスモ』の詳細はこちらから↓
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Q:ロス・アニョス・ルスの音源をチェックしたのはいつ頃から、誰の音源がきっかけだった?
「コンピに入れたシルビア・イリオンドの"Tierra que anda"です。これはエグベルト・ジスモンチがプロデュースということで気になって買いました。フォルクローレってジャンルもしらなかった時代です。モノフォンタナの次を探してた時期です」

Q:また、南米の音源を掘り出したのはいつ頃から、誰の音源がきっかけだった?
「モノ・フォンタナの1stが全ての始まり。あとgaby kelpelの1stにもびっくりしましたね。と同時に昔は下っ端でトランス/レイブのパーティを手伝って遊んでたんですよ。そんとき内海イズルさんやzomboさん(現在は閉店した宇田川町のトランス系人間交差点雑貨屋、frankzakkaの店長)が野外パーティのアンビエント・フロアでかけてた、80年代のエグベルト・ジスモンチやエルメート・パスコアル等をDJのフィルターを通してプレイされた、壮絶なアンビエントという名のサイケデリックフロア体験がきっかけですね。すぐジスモンチの80年代の作品は集めました。あと余談ですが、大石君が関わって亡き新宿リキッドルームでやってた伝説のパーティ、ORGANIC GROOVEでの内海イズルのサイケデリック・ブラジリアンセットはトラウマです。当時ブラジリアンハウスみたいのははやってましたが、そんなもんとは全く違う、チャラさゼロのドサイケ体験でした。
 だからボッサとかじゃなくて、レイブカルチャーで培ったフロア体験のフィルターを通しての南米音楽がきっかなんです。でも考えてみりゃ高校のときに日本語ラップ聞きながらも親のレコードのセルジオメンデスに衝撃を受けたりしてましたけど」

Q:ロス・アニョス・ルスというレーベルの面白さはどこにあると思う?
「ポップなんだけど箱庭的、映像的な面白さ。誠実な諦念、それゆえのデカダンス。そしてなによりもこだわったアートワークですね。金かけてるわけじゃないけどどれも世界観がある。そして大事なのが彼ら南米のルーツ・ミュージックに多大なリスペクトを寄せてること。ちゃんとメルセデス・ソーサが参加したアルバムもあるし、なによりウーゴ・ファットルーソをフォローしてるとこなど。一冊のわけわかんない文学作品みたい」

Q:今回のコンピを選曲するにあたって心掛けたことは?
「グルーヴのキープですね。20世紀に後半のメジャーなクラブ/ダンス・ミュージックでは使われない音色、楽器がビートとなり、広い意味での21世紀のダンス・ミュージックになりえるということを証明したかった。その意味ではマスタリングのKABAMIXに感謝。彼は90年代初頭から海外のレイブカルチャーで遊び尽くした男で、僕の仲間がやってるフラワー・オブ・ライフやPOWWOWという大阪のフューチャーダンシングなパーティでPAをやってる人。低音は意識しました。いい低音とスネアがあれば人は踊る、ダンス・ミュージックになりえるという考えは、一昔前によく聞いてたDUBを聞いてて染み付いたことでもあるし、友達のDJのシロー・ザ・グッドマンやMOODMANがよく言ってたことで自然なことでした。このアルバムは更に突き詰めてディープハウスのつもりで(笑)」

Q:このレーベルの音源をDJでも使ってるけど、客の反応はどう?
「勿論いいですし、求められてるのを感じます。テクノでのリカルド・ヴィラロボスやデジタル・クンビアの流行り、メスティーソ系のロックが若い子達に受けてるし、ラテンの奥深いリズムが今又求められてるのを感じます。僕が10代の頃と全く違ってアメリカ/イギリス発のポップ・カルチャーしか伝わってこない、それが一番かこいいってわけどもないしね。でも技術的な話になるかもだけど、DJで使えるのはこのコンピからのマスタリングが施されたトラックだけですよ。俺はバキバキのフロアでこの辺を堂々と使いますからね」

Q:このコンピをどんな人に聴いてほしいと思う?
「ダンス・ミュージック好きですかね。普通にフェスいったりや色んな音楽がかかる小さなパーティで遊んでる人。世界の色んな音楽に興味がある人」
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by hazimahalo | 2009-10-04 19:06