2008年、トリニダード・トバゴにて2

 続いてジュベ〜カーニヴァル編。改めて読み直すと、結構文章がメチャクチャだな。
 ま、旅のメモみたいなものなので、そのへんご了承ください。

2月3日(日)
●ジュベ
 昼間はまったりと過ごしてパノラマの疲れを取る…はずだったのですが、なんやかんやでドタバタ。この日の深夜(というか、翌日の早朝)から、カーニヴァルの幕開けを祝うジュベがあったので参加しようと思っていたのですが、こっちで連絡を取っていた友人に話を聞いたところ、「個人で行動するのはメチャクチャ危ないですよ。なんならウチの宿がやってるジュベ・バンドに入ります?」とのこと。ジュベというのは、まだ暗いうちから巨大サウンドシステムについてパレードしだし、ペンキやらインクやらをお互いに塗りまくる、という祭り。で、ジュベ・バンドってのは、お揃いのTシャツを着て一緒にパレードするチームのことなんですね。というわけで、僕らもお言葉に甘えて合流。主催する宿に行ったところ、ここ数日で会った日本人の方々や共通の友人のいるみなさまもいて、気づいたらジュベ前にベロベロになっておりました…。
d0010118_1353439.jpg そんでもって、ジュベのスタートは朝4時過ぎ。トラックにみんなで乗り込んでミーティング・ポイントまで行くわけですけど、これがすでに楽しい! みんなで笛を吹きまくったり、大声を挙げたり…すでに街中もジュベ・モードですから、なんかワケのわからん興奮状態になってるんですよ。そして、いよいよジュベがスタート。
 巨大サウンドシステムの後ろにはドリンクをしこたま積んだトラックも併走しているのですが、そこでビールをピックアップしまくって歩くわけです。そこいら中のやつらにペンキを塗りまくられるわ、夜が明けてくるわ、気づいたら上空に巨大飛行船が飛んでるわ、このときの凄まじい躁状態といったら! メチャクチャに踊って、メチャクチャに騒いで、メチャクチャに呑んで…気づいたら全然違うトラックについて歩いてました(笑)。というわけで、すっかり明るくなった昼前、ひとりで死にそうになりながら歩いて帰宅。ジュベの文化人類学的考察などをしてみようと乗り込んでみたものの、結局は呑みすぎて宿で吐いてましたー。
d0010118_1372340.jpg ま、言えるのは、ジュベこそ輪のなかに入ってペンキまみれにならないとその楽しさがわからないでしょう、ということ。ジュベには暴力的な側面もあるようで、毎年スリやらレイプやらの被害があるそう。そのぶん、若者たちのなかにはカーニヴァル当日よりもこのジュベに気合いを入れてるヤツらもいるそうで、確かにジュベの非日常性には〈究極のパーティー〉といった雰囲気がありました。

2月4日(月)
●カーニヴァル初日
 ジュベからドロドロになって帰り、数時間の仮眠を経て外出。ここ数年味わったことのない強烈な二日酔い(というか一日酔い?)と闘いながらカーニヴァル・ルートに近づいていくと…もの凄いトラックの量! パンを積んだものから、トンでもないデカさのシステムを積んだソカ・トラックまでが、ひっきりなしに行きかっています。なかでも強烈なのがソカをかけてるトラックで、システムに近づくと、あまりの爆音でメガネがブルブルと震えるんです。内臓が揺れる体験はダブのダンスなんかでしたことがありましたが、メガネが震えるのは初体験。この低音が、人々の理性のストッパーを外すんですね。 d0010118_1394586.jpg そんでもって、カーニヴァルになると、みんなハデハデな衣装に身を包んでパレードします。このパレードもジュベ同様にグループ化されていて、それを〈マス〉といいます。僕はあのハデハデの衣装に抵抗があったのと、いろんなトラックについて回りたかったのでマスには参加しなかったのですが、外から見てるだけでもかなりの疲労感がありました。ただ、マスに入って爆音を浴びてるほうが逆に疲れないのかもしれない。あのトンでもない衣装に身を包んで完全な非日常に突入してしまえば、ハイテンションのままカーニヴァルを乗り切れる気もするんですよね。
 とりあえずこの日は、ジュベの疲れが残りまくっていたこともあって、夜9時ほどには帰宅。ジュベから寝ないでマスに参加した日本人の方々もいたようだけど、オレにはちょっと無理でした…。

2月5日(火)
●カーニヴァル2日目
 なんだか早朝にもソカの爆音が聴こえてた気がするんだけど…朝7時には意外とシャキッと起きて、灼熱のカーニヴァル・ルートへ。しっかし、みなさん元気ですねー、疲れ知らずですねー。午前中から、ブリッブリのソカで踊りまくっております。
 ただ、昼を過ぎるころからマスに参加してるみなさまの表情にも徐々に疲れが見え出してきます。大変失礼ながら、メチャクチャにイケイケのカッコウをしたオッサンが死にそうな顔をしてため息をついてると、どうしてもそのギャップに笑ってしまうんですけどね。ま、そりゃ疲れますよ。
 ちなみに昔のカーニヴァルでは、トラックの上にアーティストが乗ってパフォーマンスをしていました。だけど、現在のカーニヴァルでそういった光景を見かけることは皆無。渡辺さんは「原点に帰ってほしいんですけどね」とおっしゃってましたが、僕も少し残念な気がしたな。 d0010118_1414621.jpg カーニヴァル後半は、僕が大好きなデスペラードスのパン・トラックを発見したので付いて歩くことに。相変わらずガンジャばっか吸ってグダグダの取り巻きのみなさんがステキすぎます。トラックの上に乗ってるパン・プレイヤーも友達が来たら手を休めてダベってるし、いい湯加減でダルダル。ソカの轟音に疲れてた僕としては、デスペラードスのユルユルなヴァイブスに救われた感じがしたなぁ。
 カーニヴァル最後の数時間は、とても不思議な雰囲気でした。トリニダードの人たちのなかにはこの2日間のために生きてる人たちがたくさんいて、そういった人たちにとってはカーニヴァルの終演は例えようのないほどに寂しいもの。その最後の数時間を名残惜しむような、そしてここ数日のハード・ワーキンをお互いにたたえ合うような、ピースな開放感に包まれた時間…。

 カーニヴァル翌日、ガッタガタの身体にムチ打って街中を歩いてみました。
 大量のゴミはすっかり綺麗に片付けられ、そこいら中でかかっていたソカは早くもユルいレゲエに変わっていました。言葉を交わさなくても、人々の間に共通の意識があるような感じがして、僕らが歩いていても「元気?」「うーっす」などと声をかけてくるんですね。
そうそう、カーニヴァル中に一番かけられた言葉は、「カーニヴァルを楽しんでる?」。そこには、「俺らの国のカーニヴァルを楽しんでる?」という意味が込められている気がしました。カーニヴァルは、トリニダードの人たちにとって誇りであり、人生の中心なんだと思います。だからこその「Enjoy?」。いやー、エンジョイしましたとも!
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by hazimahalo | 2009-02-15 01:45 | カリブ