2007年10月、キューバ

長い旅から帰国した時、友人たちがまず聞いてきたのは「どの国が一番面白かった?」。
これはなかなか難しい質問で、音楽的にはジャマイカとブラジル、それとトリニダード・トバゴとスペイン。食事はヨーロッパがイタリア、新大陸はメキシコとチリ。刺激的だったのはモロッコとボリビア、まったり出来たのはシチリア島とギリシャのサントリーニ島……と、ひとつには絞りきれない。
ただ、「一番辛かった国」となると、それはもう圧倒的にキューバだ。

なにせ、キューバ。いくら90年代から部分的経済改革を進めているとはいえ、今や世界でも数少ないハードコアな社会主義国家である。
何よりも複雑な社会システムに慣れるのがひと苦労で、バスに乗るのもタクシーに乗るのも大変。貨幣もキューバ国民用/旅行者用の2種類があって、実にややこしい。もちろん、どの店のショウケースもスカスカ。ちょっとした日用品ひとつ買うのに丸1日仕費やしたこともあった。つまりは、いろいろと世話してくれる旅行ツアーならともかく、僕のようなバックパッカーが自由きままに遊び呆けられるような国ではなかったのだ(ここで書くのを躊躇われるような、おかしな目にも随分と合った)。
そんなわけで、キューバの前に滞在したブラジルで楽園気分を満喫したばかりだった僕にとって、初めて訪れた<夢のカリブ>はあまりにもそっけなく、そして冷淡だったのである。

ただ、あれから1年以上が経った今思い起こすと、そんなにイヤなことばかりでもなかったと思う。
キューバ最南端のサンチアゴ・デ・クーバでは親切な人たちに随分と助けられたし、素朴な生活のなかでも自分たちの価値観を大事にしながらつつましく生きるキューバの人々に<カリビアンの美学>のようなものを感じたこともあった。
そんなキューバを楽しみきれなかったのは、僕の<人間力>の限界でもあったのだろう。
今から考えると、それが悔しくてならない。

というわけで、僕にとってのキューバは<いつかリヴェンジするべき国>。
あの国を楽しめるようになったら、少しはマシな人間になった証拠かもな、などと思っているわけです。

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by hazimahalo | 2009-02-22 06:01 | カリブ