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カテゴリ:中南米( 6 )

2年前の今ごろ、僕は南米にいました。
8月から10月いっぱいまで、だいたい3か月。その前はヨーロッパに3か月ぐらいいて、スペインのマドリッドからチリのサンチアゴまで大西洋を一気に渡って南米大陸に上陸したのでした。

8月のマドリッドは夏。半袖・短パン・ビーサンという格好で、夜になるとバルでカーニャ(生ビール)をあおる日々。
そんなマドリッドの次に渡ったサンチアゴは……町中からもこんな風景が見えるんです↓

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そう、アンデス山脈ですね。言うまでもなく、半袖・短パン・ビーサンなんて格好で歩くと凍え死にます(笑)。すぐさまダウンジャケットを着込み、デニムの下にアウトドア用のスパッツを履いてもまだまだ寒い。
そんな時、凍えた身体を温めてくれたのが、ソパ・デ・マリスコス。つまり、海鮮スープですね。
冷たい海に面しているため、サンチアゴではすごく美味しい魚貝類が食べられるんですね。で、ここにギューッとレモンを絞っていただく。もちろん、現地の白ワインと共に。

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……秋になって、徐々に涼しくなってくると、サンチアゴで感じた冷気が蘇ってきます。
温かいソパ・デ・マリスコスと、穏やかな人々。観光地としては非常に地味なサンチアゴではありますが、まるで昭和40年代の東京にタイムスリップしたかのようなその雰囲気が僕は大好きでした。

サンチアゴには渡った理由はもうひとつありました。
それは、軍事政権下のチリで絶大な影響力を誇った反体制歌手、ビクトル・ハラの残り香を嗅ぐため。
チリの各地に残るフォルクローレを調べあげ、「民衆の歌」を歌い続けたビクトル・ハラ。彼は73年9月、ピノチェト将軍率いる軍部に惨殺されました。しかも、二度とギターを弾けないようにと、両手を銃で打ち抜かれ。
僕がビクトル・ハラの存在を知ったのは、SOUL FLOWER UNIONが彼の“平和に生きる権利”(El derecho de vivir en paz)をカヴァーしたことがきっかけでしたが、その優しくも力強い歌声に一気に引き込まれてしまったのでした。

サンチアゴでは、まだまだビクトル・ハラは「英雄」でした。チェ・ゲバラやボブ・マーリーと共に、街角では数多くのポストカードやポスターが売られ、洒落たレコードショップでも彼のレコードが誇らしげに飾られていたものでした。
ビクトル・ハラについてはまだまだ書きたいことがあるのですが、少し長くなってしまったのでこのへんで。

ひとまず、彼の代表曲である“平和に生きる権利”をお聞きください。


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by hazimahalo | 2009-09-29 05:53 | 中南米
南米最狂の国という噂もあるベネズエラですが、Youtubeを徘徊していたらこんな映像を見つけました。
どうやら現地のサウンドシステムのようです(年代不明)。
音はチャンペータ、横でMPC(??)を乱打するあたり、コロンビアのカルタヘナのスタイルに近いのかな。

しかし、この乱暴な感じといったら、ブラジルのファベーラを超えちゃってるんじゃないか?
かなりの衝撃度です。




これも凄い……!



オレもこんな感じのラテン・サウンドシステム、やろうかしら。
いずれにせよ、要・調査だな(ベネズエラにだけは行きたくないけれど……)。続報は追って。
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by hazimahalo | 2009-06-17 03:24 | 中南米
前回の更新から随分と時間が空いてしまいました。書きたいことはたくさんあったんだけど、ちょっとドタバタしてまして……。

ここ最近は怒濤のライナーノーツ週間。
今月から来月にかけては、僕が解説を書いたCDがドッとレコードショップ(主にワールド・コーナー)に並ぶことになるかと。ありがたいことです。

d0010118_13385116.jpgそのなかの一枚が、クァンティック・アンド・ヒズ・コンボ・バルバロの『Tradition In Transition』。
ご存知の方であれば説明不要だと思いますが、クァンティックはUK出身のファンク/ブレイクビーツ・クリエイター。数年前にコロンビアのカリに移住した彼ですが、この『Tradition In Transition』は同地に建設したスタジオで作られたもの。
このアルバム、実に素晴らしい内容で、ラテン・ファンクを軸にしながら、コロンビア各地のリズムを網の目のように張り巡らしたオリジナルな世界が繰り広げられてます。

で、その制作風景を切り取った30分ほどのショート・ムーヴィー『Tradition in Transition : A Postcard from Cali』も作られていて、そのDVDが先日送られてきた。
監督は、昨年リリースしたミックスCDもメチャクチャ素晴らしかったB+。
一般公開されるのかは分からないけれど、クァンティックことウィルがどんな日常を送っているのか、映像の端々から伝わってくる興味深い内容。なによりも、旅好きのワタクシとしては、まだ見ぬカリの光景に旅願望がビシバシ刺激されている次第で。
最近コロンビアの原稿を書かせていただくことも多いし、そろそろコロンビア旅行の欲望が爆発しそう……。

なお、『Tradition in Transition : A Postcard from Cali』の予告編は、以下のサイトで観ることができます。アルチュール・ヴェロカイのアレンジによるストリングスも想像力をかきたてます。
Tradition in Transition : A Postcard from Cali/Trailer
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by hazimahalo | 2009-06-15 13:39 | 中南米
今日は半日かけて、南イタリアはレッチェのバンド、ジーナの最新作『Afreeque』のライナーノーツ書き(ここ最近、各地の素晴らしい作品の解説を書かせていただくことが多くて、感謝するばかり)。

以前このブログでも書いたけれど、南イタリアは本当に大好きな場所。
いつか3か月ぐらいかけてゆっくりと回ってみたいなぁ、と思っているほど、とても思い入れが強い。

イタリアにはじめて上陸したのは、ギリシャのパトラからフェリーに乗り、10時間近くかけて辿り着いたバーリという町だった。まだ店も開いていない早朝。しかも天気は雨。そのなか、港から10分ほど歩けば着くはずの駅に僕らは向かっていた。

はじめてのイタリア。もちろん言葉も分からないし、右も左も分からない状態。そのなかで重い荷物を抱えて歩くのは結構大変だった。しかも寝起きだったせいか、まんまと道に迷ってしまう始末。腹は減ってるし、眠気は最高潮だし……その時僕らに声をかけてきたのは、まるでナンニ・モレッティの映画に出てきそうな、典型的イタリアのオバちゃんだった。青い顔をしてズブ濡れの僕らがあまりにも悲惨に思えたらしく、救いの手を差し伸べてくれたのだった。

とりあえず僕らは「エスタシオン!(駅)」と連呼するしかできないわけだけど、それを察知したオバちゃんは一気に道順をイタリア語でまくし立てる。スペイン語ならともかく、イタリア語なんて「ボンジョルノ」と「ボーノ」ぐらいしか分からない僕らは棒立ち状態。
そこでオバちゃんが取った作戦は、まさかのボディ・ランゲージ作戦(笑)。
「(手で円を描いて)アルコ! アルコ! (その円に手を真っすぐ伸ばして)エスタシオン! エスタシオン!」
その間、わずか5分間。オバちゃんはオーヴァーアクションのために軽く息切れしていた気もするけれど、僕らはそのオバちゃんのおかげで何とか駅に辿り着くことができたのだった。

僕は南イタリアというと、真っ先にそのオバちゃんを思い出すし、その横を通り過ぎていく魚屋やヨレたジイさんを、そして早朝のバーリの街並を思い出す。
その3週間ほどのイタリア滞在では楽しいこともムカつくことも軽いトラブルもあったけれど、全部ひっくるめて忘れられない旅になったことは確か。
今度イタリアに行くときは、せめて「お嬢さん、駅への道順を教えてもらえませんか?」ぐらいのイタリア語は覚えていこうと思う。また、どこかのオバちゃんにボディ・ランゲージで教えてもらうのも悪いしね。

ジーナの前作にあたる『ZIna』より、スド・サウンドシステム周りのレゲエDJ、ドン・リコをフィーチャーした“Taiala”を。


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by hazimahalo | 2009-05-15 00:56 | 中南米
ここ最近、一部のマージナル・ビーツ愛好家の間でやたらと噂になっているブエノスアイレスのZZKレーベル。
コロンビアの伝統リズムであるクンビアをダブステップ〜エレクトロ・ダンスホール解釈でリフォーマットして、そこにブエノスアイレスのゲットー・クンビア=クンビア・ヴィジェーラをプラス……そんなサウンドを提示して話題を集めているレーベルである。

先頃レーベルスタッフのアンナが来日して東京2か所でDJをやったばかりだけど、その際、僕もアンナに取材させてもらって、いろいろと興味深い話を聞かせてもらった。こちらは次号「ミュージック・マガジン」でたっぷり書かさせてもらうことになっていて、ちょうどさっきまで原稿を書いていたところ(まだ書けてませんが……)。

d0010118_1565597.jpgで、いくつか質問があったのでアンナにメールを送ったところ、即レス。しかも最新アイテム『ZZK SOUND VOL.2』の音源まで! 現地ではもうリリースされているようだけど、日本に入ってくるのはもう少し先の模様。

その内容はというと……もはやZZK=デジタル・クンビア、という図式すら壊すようなヘンテコ・トラックの連発。シリーズ前作にあたる『CUMBIA DIGITAL -ZZK SOUND VOL.1』ではかろうじてクンビアのリズムがキープされていたけれど、今回はクンビアのリズムはごくわずか。
レゲトン〜ダンスホール〜ダブステップ〜ジャングル、さらには「何だ、これ?」とでもいったリズムまで入っているし、名前も聞いたことのないアーティストもラインナップ。そのなかには先日、画期的なゲットー・ソカ作品を届けてくれたギスラン・ポワリエがリミキサーとして名を連ねていたりして、いよいよそのコネクションはブエノスアイレスから世界各地へと広がりを見せているよう。

肌触りとしては、そろそろリリースされるSKYFISHの超傑作ファースト・アルバム『RAW PRICE MUSIC』に近いかな。
いずれにせよ、もう流石にワールド・ミュージックの範疇で紹介するのは無理があるはず。これこそクラブで爆音で聴いてナンボ、踊ってナンボの世界。個人的にはSKYFISH『RAW PRICE MUSIC』と並んで2009年ベスト候補の一枚、という感じです。

レーベルのMyspaceで収録曲の一部を聴けるので、気になる方は是非チェックを。
ZZK RECORDS : Myspace
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by hazimahalo | 2009-04-21 02:00 | 中南米
 僕は結構のコーヒー中毒でして、煙草と共に切らすとイライラしてくる。
 というわけで、現在我が家にはパプア・ニューギニア、ブラジル、エチオピア、そしてペルーのコーヒーが揃っています(本当は一番好きなのはジャマイカのブルーマウンテンなんだけど、ちょっと高い)。

 今呑んでいるのは、ペルーの無農薬コーヒー。
 そんなわけで、一昨年1か月ほど回ったペルーのことをぼんやりと考えていました。

 そんな今日のBGM。
 まず、ノヴァリマ(NOVALIMA)の“Machete”。新作も出たばかりですが、これは旧作より。アップ・バッスル&アウトとかに近いのかな、煙いビートにペルーの黒人系音楽を乗せたアンデス系ブレイクビーツ。



 続いては、ミキ・ゴンザレス(Milki Gonzales)。ペルー版琉球アンダーグラウンドっていう感じの人で、首都リマのCDショップには彼の作品が大量陳列されてたことを思い出します。



 日本人観光客も多く訪れるペルーだけど、このへんの音楽がほとんど注目されていないのは惜しいかぎり。
 ペルーと言っても“コンドルは飛んでいく”だけじゃないんですよね。
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by hazimahalo | 2009-02-15 15:28 | 中南米