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カテゴリ:アフリカ( 5 )

ひさびさの更新になってしまった。

この間、ひとつ大きかったのが、キヨシローの逝去。
ここで長々と書くものでもないと思うけれど、僕にとってとても大きな存在の人だったので、亡くなった直後はとにかく混乱してしまった。
その混乱した気持ちのまま文章を書くのもなかなか大変なもので、仕事もなんとかこなす有様(情けない)。

とりあえず、葬儀に行って最後に一言言えたことでやっと心の整理が付いたし、長らく放置していたこのブログも前以上のペースでアップしていくつもり。
宜しくお願いいたします。

ひとまず今週末の情報を。
面白そうなイヴェント盛り沢山ではありますが、僕は取材もかねて「アフリカン・フェスタ2009」の一環として行われるアフェル・ボクムのライヴに行く予定。
アリ・ファルカ・トゥーレの甥にあたる音楽家で、デーモン・アルバーンらとの『Mali Music』(2002年)にも参加していた人物。ライヴの後は本人に話を聞くことになっているので、アリ・ファルカ・トゥーレのことなどいろいろ聞いてこようと思っている(掲載は「ラティーナ」誌にて)。

ライヴの詳細はこちらまで↓
アフリカン・フェスタ2009


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by hazimahalo | 2009-05-14 03:23 | アフリカ
以前、ソマリア出身のラッパー、ケイナーンの新作『Troubadour』収録曲“ABCs”について「元ネタは分からないけど、エチオピアっぽいサンプリング・ネタが使われてる」みたいなことを書いた(ケイナーン(K'NAAN)の新作『Troubadour』)。

その後、下北沢の良心的レコードショップ、DISCSHOP ZEROの飯島さんがご自身のブログでその謎を解いていた(E-JIMA's blog)。d0010118_1620979.jpg
なるほど、MULATU ASTATKEだったんですね。MULATUはエチオピアン・ジャズの大御所で、CDラックを捜索したら、僕も彼の『Ethiopiques Vol. 4:Ethio Jazz & Musique Instrumentale 1969-1974』を持ってた。“ABCs”の元ネタはこのアルバムじゃなくて、72年作『Mulatu Of Ethiopia』(DISC SHOP ZERO商品ページ)に収録されている模様。このアルバムのほうは未聴だったんで、近いうちにZEROで買ってこようと思っている。

さて、そのMULATU。ジム・ジャームッシュの映画「ブロークン・フラワーズ」に使用されたことで広く知られるようになった彼だけど、次回作はナウ・アゲイン/ストーンズ・スロウ周辺の屋台骨を支えるヘリオセントリックスとのコラボレーション作。
リリースは最近「アンプ・フィドラーVsスライ&ロビー」や「アシュレイ・ビードルVsホレス・アンディ」といった興味深いコラボレーション・シリーズを出しているストラットから。このレーベルは一時期活動休止していて、数年前の再開から吹っ切れたように面白い作品を出している。

そのMULATUとヘリオセントリックスとの競演作、サンプルが送られてきたので早速聴いたところ、完全に近作のナウ・アゲインの作風に乗っ取ったもので、実にしっくりくる。Mrチョップ『Lightworlds』とかカール・ヘクター&ザ・マルカウンズ『Sahara Swing』など、ナウ・アゲイン発のサイケデリック・ファンク路線を踏襲したものというか。
ありえないような化学反応は起きていないものの、ひとつのバンドのような統一感が感じられて好印象。このメンツでツアーもやっているようなので、今後さらに発展していく予感もある。

というわけで、今日は酩酊ファンクを数発。

Mulatu Astatke“Mulatu”


Karl Hector & the Malcouns "Sahara Swing"


Mulatu Astatke&The Heliocentrics “Yekermo Sew”


オマケ。バグパイプ×スピリチュアル・ジャズ、ルーファス・ハーリーの“Malika”。これが収録された『Re-creation Of The Gods』も素晴らしい酩酊ファンク・アルバム。

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by hazimahalo | 2009-03-26 16:24 | アフリカ
アンゴラ〜リスボンのゲットー・ミュージック、クドゥロのブラカ・ソン・システマが来日するそう。フレデリック・ガリアーノは来日時にクドゥロ・セットでライヴをやっていたけれど(昨年のラバダブ・マーケットとのセッションは凄まじいものがあった)、いちおう本場モノとしては日本初上陸。僕自身、以前から気になる存在だったので、どんなライヴを見せてくれるかとても楽しみだ。
それと、せっかくなのでどこかの媒体で取材できないものかと画策中。まだまだクドゥロは謎に包まれているところも多いので、ぜひ取材したいと思ってるんだけど、どうなることやら。

ただ、その注目度のわりに来日が話題になっていないような気もする。DJのラインナップはdj KENTAROとVERBAL。KENTAROはともかく、VERBALはちょっとズレてる気がしなくもないけれど…。

というわけで、来日は東京公演が4月10日WAREHOUSE702にて、そのあと京都でもパフォーマンスを行うそう。
呼び屋がスマッシュということは、今回の反響を見てフジロックへのエントリーを検討する、ということ? ブラカ・ソン・システマもいいんだけど、そろそろいい加減にマヌ・チャオとムチャチート・ボンボ・インフィエルノを呼んでほしいんですけどね、スマッシュさん。

ご存知の方には再度紹介するまでもないだろうけど、彼らの出世曲となった“Sound Of Kuduro”(フィーチャリング M.I.A)のビデオクリップがこちら↓。世界観としてはダンスホール〜グライム/ダブステップ〜レゲトン〜バイリ・ファンキに通じるゲットー・ベース・ミュージックの典型なんだけど、それをソカ並みの高速BPMで描き切っているのが凄い。というかエグイ。彼らのファースト・アルバム『Black Diamond』は大好きな作品ではあるものの、一枚通して聴くとかなりの疲労感に襲われるのが難点と言えば難点か(笑)。


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by hazimahalo | 2009-03-24 05:34 | アフリカ
d0010118_3405046.jpg先月2月にリリースされたケイナーン(K'NAAN)の新作『Troubadour』を買う。2009年が始まってからまだ3か月ほどしか経っていないけれど、今年のベスト・アルバム候補なんじゃないかっていうぐらいの出来。正直、ここまでいいとは思わなかった。

この人はもともとソマリア出身で、同国の内戦激化の影響を受けて91年にカナダのトロントへ移住。それまではまったく英語が喋れなかったにも関わらず(ソマリアの公用語はソマリ語)、移住後に自力で英語を習得、それからラッパーとして活動を始めたというから、かなりの苦労人とは言えそう。

僕がケイナーンの名前を知ったのは、2007年にリリースされた『Urban Africa Club 』というコンピだった。d0010118_3412545.jpg映画「ツォツィ」(アフリカ版「シティ・オブ・ゴッド」といった感じの傑作)にも楽曲提供をしていたゾラなどが参加していて、コンピとしては非常に面白かったのだが、ケイナーンはそのなかで取り立てて目立った存在ではなかった。

だが、ヨーロッパのメディアで大きく取り上げられているところも徐々に目にするようになり、気が付けばアメリカの老舗レーベル、A&Mと契約。新作『Troubadour』を世界的にリリースしたというわけだ。

おそらく、A&Mはエイコンやワイクリフ・ジョン、またはダミアン“ジュニア・ゴング”マーリーのラインでケイナーンを売り出そうとしているのだろう。
1曲目“T.I.A”ではボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの“Simmer Down”がサンプリングされているし、ジャマイカのタフ・ゴング・スタジオで一部レコーディングされていたりと(ジュニア・ゴングも参加)、ところどころでレゲエの匂いを漂わせている。
また、エイコン(セネガル出身)やワイクリフ(ハイチ出身)と同様に、北米のリスナーが受け入れられる範囲で自国のニュアンスを採り入れてるのも特徴か。ソマリア語のラップが聴こえてきたり、(元ネタは分からないけれど)エチオピアっぽいサンプリング・ネタも入っていたりして、そのあたりのバランスもいい。

主役のラップもキャッチーで、少しウィル・アイ・アムっぽいのかな。
カナダのトラック&フィールド・プロダクションズ(ネリー・ファータドなどを手掛けてきたプロデューサー・チーム)ら製作陣が寄ってたかって豪華に仕立てあげた感じだけど、ワールド・ミュージック系レーベルのいなたいサウンド・プロダクションでまとめられるぐらいなら、こっちのほうが全然いい。

とりあえず、2009年3月の段階では、今作がベスト・アルバム。
大型レコードショップではヒップホップ/R&Bコーナーに置いていると思うけれど、レゲエ/ワールド・ミュージックのリスナーでも楽しめるアルバムなんじゃないかな。

というわけで、今日はケイナーンの『Troubadour』から、チャブ・ロックをフィーチャーした“ABCs”を。


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by hazimahalo | 2009-03-16 03:46 | アフリカ
昨日THA BLUE HERBの取材をしてきたんだけど、実はおととい、取材日を1日勘違いして取材場所に足を運び、かなりの時間を無駄にしてしまった(ま、それだけ気合いが入ってたったことなのかもしんないけど)。
というわけで、せっかく渋谷まで出てきたのにそのまま帰るのも馬鹿馬鹿しいっていうんで、以前から観ようと思ってたユッスー・ンドゥールの映画「魂の帰郷」を鑑賞してきました。

説明するまでもなく、ユッスーはセネガルのスーパースター。
僕は数年前、東京JAZZに出た時の彼のライヴを観たんだけど、その際のライヴは東京JAZZの劣悪な音楽環境の影響もあって、どうもノメリ込めなかったことを思い出す。
とはいえ、ユッスー自体はもの凄く好きな音楽家で、新旧問わず彼の作品はちょこちょこと聞き返している。

「魂の帰郷」は、セネガルの沖合に浮かぶゴレ島からジュネーヴやアトランタ、ニューヨーク、ルクセンブルグなどを回りながら、さまざまな音楽家との出会いを通して「アフリカ人がどこから来たのか」想像を働かせていく、というもの。いわばユッスーを主役としたロード・ムーヴィーといった趣き。

面白いのは今回の音楽的テーマに「ジャズ」を置いていることで、ニューオーリンズのアイドリス・ムハマド(凄く格好いいソロ作も出してる)などがバックに名を連ねていること。
ただし、そこにユーロ・ジャズの音楽家なども交えているから、メンバーとしては白黒混合。アフロ系の力強さ、白人系の繊細さが混ざり合ったバックの上でユッスーも伸びやかに歌を紡いでいく。

物語のラストは、かつて奴隷貿易の拠点となったゴレ島に戻ってのライヴ・シーン。
世界中で集めてきた音楽家と共にゴレに戻ってくるわけだけど、この場面がもっとも胸を打つ。
特に、アトランタのゴスペル・クワイアのオッサンたちがゴレに渡り、自身のルーツに思いを馳せる場面。敬虔なキリスト教徒である彼らが奴隷貿易の際に白人の宣教師が果たした役割を知り、そして彼らの祖先たちのために歌う場面には涙腺も緩む。
イスラム教徒であるユッスーとキリスト教徒である彼らが理解し合おうとする姿もまた、この映画の重要なテーマのように思う。

その他、アイドリス・ムハマドがダカールの港で思いっきりボラれたり、ニューヨークとゴレの女の子シンガーが仲良くなったり、はたまたユッスーのバンド・リーダーぶりが観れたり、詩人であり思想家であるリロイ・ジョーンズ(「ブルース・ピープル」は名著!)とユッスーの2ショットが観れたり、まるでキングストンのゲットーみたいなダカールの風景を観れたり…と、随所に見所が。

世界中に散らばる黒人系音楽の一部の共通点を見出しつつ、バックボーンの違いを音楽で埋めていくあたりには、ブラック・ミュージックを愛するものであれば誰しも感じ入るものがあるはず。
この手の(言ってしまえば)「バンドやろうぜ!」ものってここ数年多くて、正直観る価値のないものも結構あるんだけど、この「魂の帰郷」からはイマジネーションであらゆる差異を埋めていこうとする野心のようなものが感じられた。
ニューオーリンズもアフリカ音楽もジャズもブルースもソウルもヒップホップも好きな僕にとっては、それぞれの音楽を紐解いていく際のガイドになるようなこういう映画の公開は素直に嬉しい。

上映は渋谷シアターNにて。
ぜひチェックしてみてください。

なお、以下は同作のトレイラー。上映開始から10秒で泣いたのははじめてだよ(笑)。


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by hazimahalo | 2009-02-19 15:44 | アフリカ