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ライターの土佐有明くんがWEB DICEで連載「土佐有明の(ほぼ)初日劇評」を始めた。
聞くところによると、雑誌「マーキー」での連載とUPLINKで4月から始めるトーク・イヴェント、それとWEB DICEの連載、いわば紙媒体〜トーク・イヴェント〜WEB連載を連動させているわけで、こういうのは面白い。

連載のテーマは僕がまったく明るくない演劇。公演初日のレポートを即日アップして、それを読んだ読者が公演に足を運ぶ流れを作っている。
読者にしても、主催者にしても、こういうのは嬉しいはず。

ちょっと主題は違うけど、僕も少し同じようなことを考えてたから、すごく参考になります。
(↓リンクの張り方が分かりません。誰か教えて!)

http://www.webdice.jp/dice/
http://www.webdice.jp/dice/detail/1311/
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by hazimahalo | 2009-02-26 02:51 | お仕事
ライターを生業にしている僕だけど、普段執筆しているもの以外に定期購読している雑誌って実は多くない。

まず、日本だと「クーリエ・ジャポン」。海外の雑誌に掲載されたニュースを編集・整理してまとめていることから、現地の生情報が分かって面白い。ひとつのニュースにしても国が変わると視線が変わってくるわけで、それを並べて読めるのもいい。妙なバイアスがかかった日本の新聞を読むぐらいなら、この雑誌とネット上にアップされたニュースをチェックするだけで事足りる。

音楽誌で定期購読しているのは、唯一、イギリスの「SONGLINES」だけ。バルセロナに滞在していた時にビョークの表紙に釣られて買ったのが最初で、帰国してからはイギリスから毎号送ってもらうようにしてる。

d0010118_573897.jpg「SONGLINES」はいわゆる<ワールド・ミュージック>の雑誌で、正直なところ、クラブ系音楽に対する無知が露呈した(=つまりは、オッサン臭い)部分も多分に感じられるところがあって、毎回がっかりさせられるページがあるのも事実(数号前のクンビア特集なんて酷かった)。

じゃあなんでわざわざ定期購読までしているのかというと、イヴェント告知の広告だとか、ちょっとしたニュース記事が読めるから。
いずれもウェブ上でチェックできる情報だとは思うけれど、ページをめくって<おっ!>というニュースと出会うのは、やっぱり紙媒体ならではの楽しみだと思う。
あと、毎号フリーCDが付いているのも嬉しい。割と日本で手に入るような音源ばかりではあるものの、サンプラーという意味ではなかなか便利。特にワールド系のアーティストはMyspaceも作ってないようなことが多いので、毎回重宝してます。

そんなわけで、最新号に掲載されていた気になるニュースをいくつか。

*ダビィ・トゥーレとスキップ・マクドナルドの競演作が3月にリリース
ダビィはモーリタニアのシンガー・ソングライター。スキップ・マクドナルドはON-U周りのギタリストで、リトル・アックス名義のソロ作もある人物。どちらも大好きなアーティストだけに、この競演作は興味がある。

*ロンドン・ラテン・ミュージック・フェスティヴァルが4月に開催
日替わりで興味深い面々が出演。ルンバ・カタラーナの大御所ペレットとバルセロナのラ・トローバ・カンフーの競演も面白そうだけど、気になったのは<ア・トロピカル・トリビュート・トゥ・ザ・クラッシュ>と題された日。<スパニッシュ・ボムス>という副題が付いたこのライヴ、何やら15人編成のバンドがクラッシュをラテン・リメイクするらしい。企画だけ聞くとオッサン臭い匂いもするけれど、ブエノスアイレスのZZKレーベルでも仕事をしているトイ・エルナンデス(フアネスのリミキサーでもある)が仕切っているらしく、なんだかマニュ・チャオのレディオ・ベンバ・サウンドシステムみたいになりそうな予感も。ちょっと未知数なところはあるものの、いっそのことフジロックあたりで呼んでくれないだろうか?

*TUNNG(タン)とティナリウェンが合同ツアーを行う
エレクトロニック・トリートメントしたブリティッシュ・フォークを聴かせるタンと、<砂漠のブルース>の雄ティナリウェンの組み合わせ。今のところはUKツアーのみの予定らしいけれど、結構面白そう。タンはクラムドでタラフ・ドゥ・ハイドゥークスのリミックスなんかもやってたし、ヨーロッパのワールド業界で重宝されているのだろうか。

ちなみに、次号「SONGLINES」の表紙はカリプソ・ローズ。ちょっとしたトリニダード・トバゴ特集になるようで、<そろそろ定期購読の必要はないかも?>なんて思っていたけれど、やっぱり契約を継続することにしよう。
そろそろ夏のフェスティヴァル情報も出てきたし、行けるかどうかは分からないものの、「SONGLINES」を読みながら旅のイメージでも膨らませてみたいと思います。

なお、「SONGLINES」のウェブサイトはこちら↓
http://www.songlines.co.uk/
過去のコンテンツをPDFで読めるのもナイスです。
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by hazimahalo | 2009-02-24 05:22 | お仕事
長い旅から帰国した時、友人たちがまず聞いてきたのは「どの国が一番面白かった?」。
これはなかなか難しい質問で、音楽的にはジャマイカとブラジル、それとトリニダード・トバゴとスペイン。食事はヨーロッパがイタリア、新大陸はメキシコとチリ。刺激的だったのはモロッコとボリビア、まったり出来たのはシチリア島とギリシャのサントリーニ島……と、ひとつには絞りきれない。
ただ、「一番辛かった国」となると、それはもう圧倒的にキューバだ。

なにせ、キューバ。いくら90年代から部分的経済改革を進めているとはいえ、今や世界でも数少ないハードコアな社会主義国家である。
何よりも複雑な社会システムに慣れるのがひと苦労で、バスに乗るのもタクシーに乗るのも大変。貨幣もキューバ国民用/旅行者用の2種類があって、実にややこしい。もちろん、どの店のショウケースもスカスカ。ちょっとした日用品ひとつ買うのに丸1日仕費やしたこともあった。つまりは、いろいろと世話してくれる旅行ツアーならともかく、僕のようなバックパッカーが自由きままに遊び呆けられるような国ではなかったのだ(ここで書くのを躊躇われるような、おかしな目にも随分と合った)。
そんなわけで、キューバの前に滞在したブラジルで楽園気分を満喫したばかりだった僕にとって、初めて訪れた<夢のカリブ>はあまりにもそっけなく、そして冷淡だったのである。

ただ、あれから1年以上が経った今思い起こすと、そんなにイヤなことばかりでもなかったと思う。
キューバ最南端のサンチアゴ・デ・クーバでは親切な人たちに随分と助けられたし、素朴な生活のなかでも自分たちの価値観を大事にしながらつつましく生きるキューバの人々に<カリビアンの美学>のようなものを感じたこともあった。
そんなキューバを楽しみきれなかったのは、僕の<人間力>の限界でもあったのだろう。
今から考えると、それが悔しくてならない。

というわけで、僕にとってのキューバは<いつかリヴェンジするべき国>。
あの国を楽しめるようになったら、少しはマシな人間になった証拠かもな、などと思っているわけです。

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by hazimahalo | 2009-02-22 06:01 | カリブ
仕事で調べものをしていたら、こんな映像にブチあたった。
まぁ非常に有名なシーンだけれど、改めて凄い。
イギリスのダンスホール・ディージェイ、ダディ・フレディがワールド・レコードを出した瞬間。

そのパフォーマンスだけでなく、全体的に面白い(笑)。突っ込みどころ満載!



しかし、ダディ・フレディってこんなに可愛い顔してたんですね。
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by hazimahalo | 2009-02-19 21:11 | カリブ
昨日THA BLUE HERBの取材をしてきたんだけど、実はおととい、取材日を1日勘違いして取材場所に足を運び、かなりの時間を無駄にしてしまった(ま、それだけ気合いが入ってたったことなのかもしんないけど)。
というわけで、せっかく渋谷まで出てきたのにそのまま帰るのも馬鹿馬鹿しいっていうんで、以前から観ようと思ってたユッスー・ンドゥールの映画「魂の帰郷」を鑑賞してきました。

説明するまでもなく、ユッスーはセネガルのスーパースター。
僕は数年前、東京JAZZに出た時の彼のライヴを観たんだけど、その際のライヴは東京JAZZの劣悪な音楽環境の影響もあって、どうもノメリ込めなかったことを思い出す。
とはいえ、ユッスー自体はもの凄く好きな音楽家で、新旧問わず彼の作品はちょこちょこと聞き返している。

「魂の帰郷」は、セネガルの沖合に浮かぶゴレ島からジュネーヴやアトランタ、ニューヨーク、ルクセンブルグなどを回りながら、さまざまな音楽家との出会いを通して「アフリカ人がどこから来たのか」想像を働かせていく、というもの。いわばユッスーを主役としたロード・ムーヴィーといった趣き。

面白いのは今回の音楽的テーマに「ジャズ」を置いていることで、ニューオーリンズのアイドリス・ムハマド(凄く格好いいソロ作も出してる)などがバックに名を連ねていること。
ただし、そこにユーロ・ジャズの音楽家なども交えているから、メンバーとしては白黒混合。アフロ系の力強さ、白人系の繊細さが混ざり合ったバックの上でユッスーも伸びやかに歌を紡いでいく。

物語のラストは、かつて奴隷貿易の拠点となったゴレ島に戻ってのライヴ・シーン。
世界中で集めてきた音楽家と共にゴレに戻ってくるわけだけど、この場面がもっとも胸を打つ。
特に、アトランタのゴスペル・クワイアのオッサンたちがゴレに渡り、自身のルーツに思いを馳せる場面。敬虔なキリスト教徒である彼らが奴隷貿易の際に白人の宣教師が果たした役割を知り、そして彼らの祖先たちのために歌う場面には涙腺も緩む。
イスラム教徒であるユッスーとキリスト教徒である彼らが理解し合おうとする姿もまた、この映画の重要なテーマのように思う。

その他、アイドリス・ムハマドがダカールの港で思いっきりボラれたり、ニューヨークとゴレの女の子シンガーが仲良くなったり、はたまたユッスーのバンド・リーダーぶりが観れたり、詩人であり思想家であるリロイ・ジョーンズ(「ブルース・ピープル」は名著!)とユッスーの2ショットが観れたり、まるでキングストンのゲットーみたいなダカールの風景を観れたり…と、随所に見所が。

世界中に散らばる黒人系音楽の一部の共通点を見出しつつ、バックボーンの違いを音楽で埋めていくあたりには、ブラック・ミュージックを愛するものであれば誰しも感じ入るものがあるはず。
この手の(言ってしまえば)「バンドやろうぜ!」ものってここ数年多くて、正直観る価値のないものも結構あるんだけど、この「魂の帰郷」からはイマジネーションであらゆる差異を埋めていこうとする野心のようなものが感じられた。
ニューオーリンズもアフリカ音楽もジャズもブルースもソウルもヒップホップも好きな僕にとっては、それぞれの音楽を紐解いていく際のガイドになるようなこういう映画の公開は素直に嬉しい。

上映は渋谷シアターNにて。
ぜひチェックしてみてください。

なお、以下は同作のトレイラー。上映開始から10秒で泣いたのははじめてだよ(笑)。


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by hazimahalo | 2009-02-19 15:44 | アフリカ
今日は夕方から恵比寿でILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB/以下TBH)の取材。

BOSSさんはTBHの最新作『LIFE STORY』の時に取材させてもらってるから、今回で2回目。
前々作『SELL OUR SOUL』の際は当時関わっていた雑誌のエディターとして取材に同行していたので、お会いするのは3回目か。

前回の取材の際、彼はTBHおよび自身が「開けてきた」と話していた。
それはTBHの作品/メッセージ自体がよりオープンマインドなものとなり、なおかつ彼の人生観自体に変化があったことも示しているんだろうけど、実際、『SELL OUR SOUL』からしばらくの時を経てお会いしたBOSSさんはそれまでのヒリヒリした雰囲気がなくなっていて(ライヴの際の、凄まじいまでの緊張感は全然変わらないけれど)、なんだかフレンドリーに接してくれたことを思い出す。

でも、今日のBOSSさんは前回以上にフレンドリーだった。
だって、会っていきなり「おお、久しぶり! 海外に行ってたんでしょ?」ですよ。その後の会話も弾む、弾む。ニコニコと笑顔を振りまきながら、僕の深読みを時にはやんわりと退けつつ、そして丁重に答えてくれる。
ただ、単に「いい人」なだけならナンだけど、彼の場合は根っこにある考え(信念と言ってもいい)が強靭だから、言葉のひとつひとつに重みと説得力があって、どんどん引き込まれてしまう。会話自体がまるでフリースタイルみたいな研ぎ澄まされ方。

なお今回は、昨年行われたツアーの模様を収めたDVD「STRAIGHT DAYS / AUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08」のインタヴュー。
凄い映像集です、これ。身体表現の限界に挑むようなBOSSさんのパフォーマンスに身体がブルブルと震えます。
ただし、ライヴのTBHはもっと凄い。その凄さは言葉にしにくい類いのもので、会場に足を運んでみてください、としか言い様がないのが困りものだけど。

というわけで、今回はTBH“Road To The Underground”を。
結構前の曲だけど、まったく古くならない言葉と音がここにあります。



掲載は次号「CDジャーナル」にて。文字数も結構あるようなので、気合いを入れて書きます。
また、TBHの最新情報はhttp://www.tbhr.co.jp/でチェックを。
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by hazimahalo | 2009-02-18 22:19 | お仕事
一日に何度もアップするもんじゃないんだろうけど、ちょっと面白い情報をゲットしたので、メモ代わりに残しておきます。

シャバ・ランクスについて少し調べものをしていたんだけど、何やら彼の“Dem Bow”をレゲトンの元祖とする説があるとか。
まず、“Dem Bow”を聴いてみましょう。



とある資料によると、この曲がリリースされた91年当時、プエルトリコでは同オケを使ったフリースタイルが頻繁に行われていたそう。今聴いてみると確かにレゲトン的にも聴こえるし、サルサ〜メレンゲ的な雰囲気も感じられます。

なお、その“Dem Bow”をリメイクしたのが、〈ゴッドファーザー・オブ・レゲトン〉として知られるエル・ジェネラル。その名も“Son Bow”。歌い口としては、シャバよりもスーパーキャットに近いのが面白いですね。



そのエル・ジェネラルさん、同じ頃にはこんな曲↓とか……



こんな曲↓も出してます。



現在のレゲトンに比べると随分ダンスホール寄りですが、ここからサルサ〜メレンゲやメレン・ハウスなんかの要素が加えられていって「あの」ビートが出来てきたかと思うと、なかなか興味深いハナシ。
レゲトンの「もうひとつ」の故郷とされているパナマでは80年代から地元レゲエ・アクトの作品が残されているそうだけど、こちらは未聴。ちょっとチェックしてみたいと思います。
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by hazimahalo | 2009-02-15 21:30 | カリブ
 僕は結構のコーヒー中毒でして、煙草と共に切らすとイライラしてくる。
 というわけで、現在我が家にはパプア・ニューギニア、ブラジル、エチオピア、そしてペルーのコーヒーが揃っています(本当は一番好きなのはジャマイカのブルーマウンテンなんだけど、ちょっと高い)。

 今呑んでいるのは、ペルーの無農薬コーヒー。
 そんなわけで、一昨年1か月ほど回ったペルーのことをぼんやりと考えていました。

 そんな今日のBGM。
 まず、ノヴァリマ(NOVALIMA)の“Machete”。新作も出たばかりですが、これは旧作より。アップ・バッスル&アウトとかに近いのかな、煙いビートにペルーの黒人系音楽を乗せたアンデス系ブレイクビーツ。



 続いては、ミキ・ゴンザレス(Milki Gonzales)。ペルー版琉球アンダーグラウンドっていう感じの人で、首都リマのCDショップには彼の作品が大量陳列されてたことを思い出します。



 日本人観光客も多く訪れるペルーだけど、このへんの音楽がほとんど注目されていないのは惜しいかぎり。
 ペルーと言っても“コンドルは飛んでいく”だけじゃないんですよね。
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by hazimahalo | 2009-02-15 15:28 | 中南米
 右も左も分からない異国の地。いくらか緊張しながら入った酒場でグッと呑みほすビールの旨さといったら! 緊張が徐々に解けていって、周囲の酔っぱらいに不思議な親近感を持つ瞬間——。僕にとっての旅の醍醐味はまさにそこにあります。

 というわけで、2008年12月号の「CDジャーナル」誌で書かせていただいた短い原稿をアップ。題して「世界酒場紀行」。

 昨年、僕は世界各国の音楽を追いかけて長い旅に出ていた。その町のライヴ情報を探り、現地情報を収集する一方で、夜になると大抵現地の人々に紛れ込んで酒をあおった。今思うと、そんな僕の旅はほとんど「音楽と酒を巡る旅」だった気もする。
 10か国ほど行ったヨーロッパの中で、生ビールが一番旨かったのは断然スペイン。この国では生ビールのことを「カーニャ」と言って、よく冷えたカーニャをタパスと共に胃へ流し込むのは最高の気分である。ただし、バルは長居する場所ではない。財布に余裕があればフラメンコのショウを観ることができるタブラオに場所を変えてもいいけれど、僕の場合は手頃なクラブに足を運ぶことが多かった。バルセロナのような都市部であれば気軽にその町のローカル・アーティストを観ることができたし、複雑なパルマ(手拍子)を笑顔で披露してみせる観客の女の子を眺めているのも楽しいものだ。ポルトガルのリスボンでは、ファドが流れるカーサ・ド・ファドで白ワインをグイッといきたい。ファドの哀愁の響きにほろ酔い気分で耳を傾けていると、ヨーロッパの辺境の地までやってきてしまったという実感がこみ上げてきたものである。
 マグレブを含む地中海周辺をウロウロした後、僕は一気に南米へ飛んだ。冬のサンチアゴやブエノスアイレスで呑んだワインもたまらない美味しさだったけれど、滞在期間中、ひたすらアルコールを呑み続けたのはブラジルのサルバドールでのことだった。僕がこの町で昼から晩まで呑んでいたのがカシャッサ。ピンガとも呼ばれるこの蒸留酒にライムや砂糖を入れるとカイピリーニャというカクテルになるが、安酒場ではこのカシャッサをストレートで呑む。使い捨ての小さなカップに入ったこの液体を3杯も呑めば、あっという間にフラフラ。その状態で、暗くなると町を練り歩き出すアフロ・ブロコのビートや、そこいら中で演奏されているサンバやパゴーヂに耳を傾け、千鳥足でステップを踏むのである。たった2週間の滞在だったが、こんな生活を半年も続けたら誰だって立派なアル中になるだろう。
d0010118_222516.jpg 南米の後はカリブへ。ジャマイカのゲットーでは爆音のサウンドシステムに合わせてレッド・ストライプをあおり、キューバでは老演奏家によるソンを肴にモヒートを。中でも忘れられないのが、トリニダード・トバゴで呑んだラムのココナッツ・ウォーター割り。カリブ最南端に位置するこの国を訪れた時、季節はちょうどカーニヴァルの真っただ中だった。国全体が浮き足だったような、狂乱の日々。爽やかな味わいを持つラムのココナッツ・ウォーター割りは、カーニヴァルで火照った身体と心をクールダウンさせる効果があった。あの味だけは、あの場所・あの時間でしか味わうことのできなかったものだったと、今改めて思う。
 思い返すと、いい音楽の傍らには常にいい酒があった。それは週末になるとクラブやバーへと足を運ぶ現在の日々とも大して変わらないけれど、異国のざわめきの中で味わったそれは、今も僕の耳と舌にしっかりと余韻を残しているのである。
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by hazimahalo | 2009-02-15 02:24 | 酒と食
 続いてジュベ〜カーニヴァル編。改めて読み直すと、結構文章がメチャクチャだな。
 ま、旅のメモみたいなものなので、そのへんご了承ください。

2月3日(日)
●ジュベ
 昼間はまったりと過ごしてパノラマの疲れを取る…はずだったのですが、なんやかんやでドタバタ。この日の深夜(というか、翌日の早朝)から、カーニヴァルの幕開けを祝うジュベがあったので参加しようと思っていたのですが、こっちで連絡を取っていた友人に話を聞いたところ、「個人で行動するのはメチャクチャ危ないですよ。なんならウチの宿がやってるジュベ・バンドに入ります?」とのこと。ジュベというのは、まだ暗いうちから巨大サウンドシステムについてパレードしだし、ペンキやらインクやらをお互いに塗りまくる、という祭り。で、ジュベ・バンドってのは、お揃いのTシャツを着て一緒にパレードするチームのことなんですね。というわけで、僕らもお言葉に甘えて合流。主催する宿に行ったところ、ここ数日で会った日本人の方々や共通の友人のいるみなさまもいて、気づいたらジュベ前にベロベロになっておりました…。
d0010118_1353439.jpg そんでもって、ジュベのスタートは朝4時過ぎ。トラックにみんなで乗り込んでミーティング・ポイントまで行くわけですけど、これがすでに楽しい! みんなで笛を吹きまくったり、大声を挙げたり…すでに街中もジュベ・モードですから、なんかワケのわからん興奮状態になってるんですよ。そして、いよいよジュベがスタート。
 巨大サウンドシステムの後ろにはドリンクをしこたま積んだトラックも併走しているのですが、そこでビールをピックアップしまくって歩くわけです。そこいら中のやつらにペンキを塗りまくられるわ、夜が明けてくるわ、気づいたら上空に巨大飛行船が飛んでるわ、このときの凄まじい躁状態といったら! メチャクチャに踊って、メチャクチャに騒いで、メチャクチャに呑んで…気づいたら全然違うトラックについて歩いてました(笑)。というわけで、すっかり明るくなった昼前、ひとりで死にそうになりながら歩いて帰宅。ジュベの文化人類学的考察などをしてみようと乗り込んでみたものの、結局は呑みすぎて宿で吐いてましたー。
d0010118_1372340.jpg ま、言えるのは、ジュベこそ輪のなかに入ってペンキまみれにならないとその楽しさがわからないでしょう、ということ。ジュベには暴力的な側面もあるようで、毎年スリやらレイプやらの被害があるそう。そのぶん、若者たちのなかにはカーニヴァル当日よりもこのジュベに気合いを入れてるヤツらもいるそうで、確かにジュベの非日常性には〈究極のパーティー〉といった雰囲気がありました。

2月4日(月)
●カーニヴァル初日
 ジュベからドロドロになって帰り、数時間の仮眠を経て外出。ここ数年味わったことのない強烈な二日酔い(というか一日酔い?)と闘いながらカーニヴァル・ルートに近づいていくと…もの凄いトラックの量! パンを積んだものから、トンでもないデカさのシステムを積んだソカ・トラックまでが、ひっきりなしに行きかっています。なかでも強烈なのがソカをかけてるトラックで、システムに近づくと、あまりの爆音でメガネがブルブルと震えるんです。内臓が揺れる体験はダブのダンスなんかでしたことがありましたが、メガネが震えるのは初体験。この低音が、人々の理性のストッパーを外すんですね。 d0010118_1394586.jpg そんでもって、カーニヴァルになると、みんなハデハデな衣装に身を包んでパレードします。このパレードもジュベ同様にグループ化されていて、それを〈マス〉といいます。僕はあのハデハデの衣装に抵抗があったのと、いろんなトラックについて回りたかったのでマスには参加しなかったのですが、外から見てるだけでもかなりの疲労感がありました。ただ、マスに入って爆音を浴びてるほうが逆に疲れないのかもしれない。あのトンでもない衣装に身を包んで完全な非日常に突入してしまえば、ハイテンションのままカーニヴァルを乗り切れる気もするんですよね。
 とりあえずこの日は、ジュベの疲れが残りまくっていたこともあって、夜9時ほどには帰宅。ジュベから寝ないでマスに参加した日本人の方々もいたようだけど、オレにはちょっと無理でした…。

2月5日(火)
●カーニヴァル2日目
 なんだか早朝にもソカの爆音が聴こえてた気がするんだけど…朝7時には意外とシャキッと起きて、灼熱のカーニヴァル・ルートへ。しっかし、みなさん元気ですねー、疲れ知らずですねー。午前中から、ブリッブリのソカで踊りまくっております。
 ただ、昼を過ぎるころからマスに参加してるみなさまの表情にも徐々に疲れが見え出してきます。大変失礼ながら、メチャクチャにイケイケのカッコウをしたオッサンが死にそうな顔をしてため息をついてると、どうしてもそのギャップに笑ってしまうんですけどね。ま、そりゃ疲れますよ。
 ちなみに昔のカーニヴァルでは、トラックの上にアーティストが乗ってパフォーマンスをしていました。だけど、現在のカーニヴァルでそういった光景を見かけることは皆無。渡辺さんは「原点に帰ってほしいんですけどね」とおっしゃってましたが、僕も少し残念な気がしたな。 d0010118_1414621.jpg カーニヴァル後半は、僕が大好きなデスペラードスのパン・トラックを発見したので付いて歩くことに。相変わらずガンジャばっか吸ってグダグダの取り巻きのみなさんがステキすぎます。トラックの上に乗ってるパン・プレイヤーも友達が来たら手を休めてダベってるし、いい湯加減でダルダル。ソカの轟音に疲れてた僕としては、デスペラードスのユルユルなヴァイブスに救われた感じがしたなぁ。
 カーニヴァル最後の数時間は、とても不思議な雰囲気でした。トリニダードの人たちのなかにはこの2日間のために生きてる人たちがたくさんいて、そういった人たちにとってはカーニヴァルの終演は例えようのないほどに寂しいもの。その最後の数時間を名残惜しむような、そしてここ数日のハード・ワーキンをお互いにたたえ合うような、ピースな開放感に包まれた時間…。

 カーニヴァル翌日、ガッタガタの身体にムチ打って街中を歩いてみました。
 大量のゴミはすっかり綺麗に片付けられ、そこいら中でかかっていたソカは早くもユルいレゲエに変わっていました。言葉を交わさなくても、人々の間に共通の意識があるような感じがして、僕らが歩いていても「元気?」「うーっす」などと声をかけてくるんですね。
そうそう、カーニヴァル中に一番かけられた言葉は、「カーニヴァルを楽しんでる?」。そこには、「俺らの国のカーニヴァルを楽しんでる?」という意味が込められている気がしました。カーニヴァルは、トリニダードの人たちにとって誇りであり、人生の中心なんだと思います。だからこその「Enjoy?」。いやー、エンジョイしましたとも!
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by hazimahalo | 2009-02-15 01:45 | カリブ