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 長い旅から帰ってきて1年が経つ。
 旅の先輩である友人には「旅に行った期間、社会復帰には時間がかかる」と言われていたけれど、僕の場合はもう少し時間がかかりそう。

 カリブ海最南端、トリニダード・トバゴでは現地時間2月23日からカーニヴァルが始まる。僕の頭のなかではまだ昨年のカーニヴァルの記憶が鮮明に残っていて、今年の開催情報を聞いただけで心の奥がザワザワとしてくる。

 以下はmixiの日記に書いた2008年2月の日記。スティール・パンの大会、パノラマの体験談。
 旅先で書いたので文章は随分おかしなところもあるけれど、少し暴走気味なところに当時の興奮がこもっている気もしますので、このままアップします。

2月2日(土)
●パノラマ・ファイナル
 トリニダード&トバゴ中のパン・バンドが集まり、No.1を決めるコンテストの決勝戦。世界的にも有名ですね。
会場はポート・オブ・スペインから車で1時間ほどのサン・フェルナンドで、行きはレネゲイズのバスに勝手に乗り込んでスタッフ面して会場入り。サンキュー、レネゲイズ。

 で、ですね、このパノラマが本当にヤバかった。70人編成ほどのミディアム・バンドが8組、120人編成までのラージ・バンドが8組登場して、それぞれのチャンピオンを決めるのですが、縁あってプレス・パスをゲットできた僕らは幸運にもステージ上に上がり、バンドのなかに潜り込んでその演奏を堪能させてもらいました。
d0010118_1222670.jpg パンってのはアコースティック楽器ですから、演奏者に近ければ近いほど音がいい。PAを通しちゃうと、どうしてもその魅力が半減しちゃうんです。その意味で、パンを聴く最高の環境はパン・ヤードだ、という人もいます。ただ、やはりパノラマの舞台はみんな気合いが入りまくっていて、緊張感と高揚感がゴチャ混ぜになってスゴイ状態になってるわけですよ。そんなバンドを超至近距離で観れたのですが…いくつかのバンドは、あまりの感動に涙ボロボロ。ウホッウホッと嗚咽が出ちゃうほどで、同じくステージ上にいた渡辺洋一さんと恥ずかしくてまともに話が出来なかった。渡辺さんは「僕はパノラマで人生が変わりましたからね」とおっしゃっていたけど、今までの人生のなかでも5本の指に入る音楽体験だったかもしれない。ホント、大袈裟じゃないです。
d0010118_1235261.jpg パン・バンドのアレンジってのは、オーケストラ編成のクラシックを元にしたところもありながら、高揚感とブラック・カリビアン特有のマジカル感がプラスされてるんです。だから、狂気とドリーミー感がゴチャゴチャになってて、聴いてるとトンでもないところに連れていかれちゃう。もう耳と目と皮膚と神経すべてがパンの音に持っていかれて、ドラム缶のなかに頭ごと突っ込んでるような気持ちになるんです。
なかでも凄かったのは、渡辺さんいわく「No.1ゲットー・バンド」であるデスペラードス。こいつらは、もう取り巻きがグダグダで笑えてくるんですよ。目が真っ赤でどーしようもないガイたちがヨロヨロとステージ上を徘徊してる(笑)。ま、バンドの連中のなかにも似たような類の輩がいっぱいいるわけですが、そんなヤツらが描き出すのは、かつてのパン・バンドが持っていたかもしれぬ不器用でマジカルな音。ジャマイカ的に言うと、〈ヴァイブスに溢れてる〉んです。パンが持つ危険な香りと狂気をもっとも感じさせてくれたのがデスペラードスだったなぁ。結局彼らは4位でしたが、優勝したフェイズIIも本当に素晴らしい演奏だったから納得。僕にとってのトリニダード滞在のハイライトは、間違いなくパノラマ・ファイナルでした。

 ちなみに、帰りは足に散々困った挙句、デロデロの酔っ払いトリニダード人オヤジ2人とフツウの自家用車を拉致して帰宅。タクシーとの値段交渉のとき、高かったら「殺すぞ、コラ!」と言えば値段が下がることを教えてもらいました(笑)。いや、フツウの観光客がマネしちゃ駄目ですよ。逆に殺されますから。
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by hazimahalo | 2009-02-15 01:30 | カリブ