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コロンビアはおもしろいぞ!──¡VAMOS COLOMBIA!に向けて

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 フツー、〈コロンビア〉と聞いても何のイメージも沸かないよね。ガルシア・マルケス(作家)やカルロス・バルデラマ(サッカー選手)、シャキーラ(歌手)、もしくはパブロ・エスコバール(麻薬王)の名前が浮かんでくる人もいるだろうけど、彼らの名前がコロンビアという国のイメージとすぐさま結びつく日本人はあまりいないだろう。同じ南米大陸でもブラジルだったらカーニヴァルの喧噪やコパカバーナのビーチが想起されるだろうし、アルゼンチンと言えばタンゴが、ペルーといえば“コンドルは飛んでいく”が思い出されるはず。でも、コロンビアと聞いてもほとんどの日本人の頭のなかにはクエスチョンマークが浮かぶだけじゃないだろうか?

 僕がこのコロンビアを訪れたのは2011年の2月から3月にかけてのこと。その時の40日ほどの滞在で、僕はこの国に惚れ込んでしまったのだった。
 とにかくコロンビアはおもしろい。結構メチャクチャなところもあるけれど、それ以上に素敵なところがいっぱいある。治安だって思っていたほどは悪くない。ゲットーに入らない限りはリマ(ペルー)の旧市街やパリのバルベス、バルセロナのラバル地区、キングストン(ジャマイカ)のダウンタウンのほうがよっぽど危ない。でも、〈コロンビア=危ない〉というイメージがいまだに根強いのも確か。左翼ゲリラ、マフィアのコロンビア。確かに90年代までのこの国は一種の内戦状態にあったし、僕だってその時期のコロンビアだったらわざわざ高い金をかけて訪れることもなかっただろう。 だが、2002年に就任したアルバロ・ウリベ大統領が治安対策に重点を置いたことなどで国内の治安が改善。少なくとも僕が訪れた2011年のコロンビアは「夜中にフラフラと出歩かない」「不用意にカメラをブラ下げて歩かない」「前もって治安の悪いエリアを把握しておく」という海外旅行必須事項をキチンと守っていれば何ら問題なく旅することができる国になっていた(実際、僕も一切の被害に合わなかった)。

 あと、コロンビア人はとても人がいい。親切で温かいんだね。まあ、人によっちゃ〈おせっかい〉とも言えるだろうけど、田舎者ゆえのホスピタリティーがある。僕は今まで27か国の国を訪れたことがあるけど、人柄の良さではハワイかチリ、もしくはイタリアに並ぶほど。それだけでこの国を好きになる理由があるというものだ。

 また、アンダーグラウンドの音楽シーンはフレッシュなエネルギーに満ち溢れている。参考資料として、現在のシーンを象徴する2曲を紹介しておこう。どうですか、メチャクチャ格好いいでしょ?

Systema Solar - Bienvenidos


Bomba Estereo - Fuego


 この国はルーツ・ミュージックも魅力十分。アフリカとインディヘナ、ヨーロッパの文化が複雑に絡み合い、コロンビアにしかない音楽地図が出来上がっている。国外で一番知られている伝統歌手はやっぱりこの人、トト・ラ・モンポシーナ。

Toto La Momposina Live in Queens New York Summer 2009


 帰国後の僕はこうやってコロンビアの普及活動を始めたわけだけれど、正直なところ、そのリアクションは思った以上に悪かった。震災によって疲弊しきった友人たちに対して異国の魅力を語る気持ちにはならなかったが、某編集部に企画を持ち込んだ時のクールな反応には少しビビッた。ああ、コロンビアって全然知られてないんだな、こりゃ先は長いぞ、と(だからこそ、コロンビアの記事をたっぷり書かせてくれた「ソトコト」および「ラティーナ」の編集者の方々には本当に感謝しています)。

 そうした一方で、日本ではここ数年クンビアというコロンビア原産の音楽が人気だ。都内のクラブDJはこぞってクンビアのレコードを回している。だが、そうしたクンビア愛好家/DJが我れ先にとコロンビアを訪れているかというと、そうでもない。サンバ好きはすぐにリオデジャネイロに飛ぶし、レゲエ好きはキングストンに、スティールパン好きはポート・オブ・スペインに飛ぶけれど。ま、コロンビアと聞いても何のイメージも沸かないだろうから、そりゃコロンビアという国に対しても興味沸かないよね。コロンビアという国の魅力がほとんど伝えられていないんだし、それも当然だと思う。

 じゃあ、その魅力を伝えるしかない。少しでもコロンビアという国に興味を持ってもらって、この国の音楽と文化を知ってもらいたい。そして、機会があればコロンビアを訪れてほしい。……そんな思いからこのイヴェントは始まりました。

¡VAMOS COLOMBIA!@恵比寿Time Out cafe Diner
http://www.timeoutcafe.jp/
3月18日 17:00~23:00 ¥1,000/1Drink

南米コロンビアと聞くと、多くの人が危険なイメージを持つはず。でも、この国には魅力たっぷりな音楽と文化が盛りだくさん! そんなコロンビアの素晴らしさを伝える日本初の全方位型コロンビア・ナイトが開催! コロンビアン・ミュージックのエキスパートたちによるDJプレイ、食や文化など多方面に渡る魅力に迫るトークショウ、コロンビア・ダンスのショウ、そして現地の食とお酒も提供。コロンビアを丸ごと楽しめる一夜、バモス・コロンビア!!

DJ:
TOSHIO "BING" KAJIWARA
El Caminante Okamoto (Mamborama Tokyo)
HAJIME OISHI (EL PARRANDERO)
TAGOOD (MONTE BAILANTA)
YOSUKE (BAOBAB)

DANCE:Ritmo de Cali

トーク:
大石始+マルタ・ルイーズ

後援:コロンビア大使館

<場所>
Time Out cafe Diner
TEL:03-5774-0440
東京都渋谷区東3-16-6 リキッドルーム2F
JR恵比寿駅西口/東京メトロ日比谷線恵比寿駅2番出口より徒歩3分

<地図>
http://www.timeoutcafe.jp/info/index.html

 オーガナイザーはメデジンに5年住んでいたタケくんと、ボゴタ生まれのマルタ、そして僕。DJありダンスありトークあり。もちろんコロンビアの食と酒も体験可能。
 ブラジル音楽やサルサ、レゲエはここ日本でも人気があるけれど、そういった土壌を作ってきたのは〈この国の音楽と文化を広めたい!〉という人々の熱い思いだったはず。そして、この〈VAMOS COLOMBIA〉もそうした情熱(のみ)で動いているし、その熱がひとりでも多くの人に伝わってほしいと願っています。〈3.11〉以降の日本に住む僕らは、過酷な内戦をサヴァイヴしたコロンビアの人たちから学べることがあると思っているのだが、これもまた長いハナシになりそうなので機会を改めて。
 バモス・コロンビア!

Promoción Institucional Carnaval de Barranquilla 2012

by hazimahalo | 2012-03-13 18:42