ズーク・ラヴ〜カボ・ラヴ〜キゾンバの謎
「ズーク」と聞いてカッサヴやズーク・マシーンといった名前が出てくるのは、おそらく30代後半以上の方だと思う。
グアドループやマルチニークといったフレンチ・カリブの島から発生し、フランス本国経由で80年代後半に広まった音楽、それがズーク。
一時期はここ日本でも結構コンスタントにズークのアルバムが紹介されていたようだけど、今ではすっかりその名も聞かなくなってしまった。
実際、僕も80年代後半のズーク作品は2000年以降になって一通り聴いてみたものの、チープなシンセのメロディーは流石に21世紀に聴くのはツライ。
しかし、ここしばら何故かズークを追いかけていて、玉石混合ながらも、なかにはビックリするぐらいいい曲も発見したり。
ズークが気になりだしたのは、2007年にパリに行ったのがきっかけだった。
パリ中心部にはバルベスという移民街がある。ここは夜になると結構治安が悪い場所なのだが、そこにはフレンチ・カリブからやってきた移民によるレコードショップもある。そこで試しに買ってみた数枚のズーク・アルバムが思いのほか良かったのだ。
それらはR&Bテイストも濃厚で、スロウテンポのソカ、またはメロディアスなダンスホールといった趣きもある。激甘なメロディーセンスは80年代から変わらないものではあるけれど、サウンド・プロダクションが飛躍的に向上した分、クラブ・プレイにも耐えられそう(このへん、DJで実証済み)。
それが「ズーク・ラヴ」と呼ばれていることはパリに行く前から知ってはいたものの、自分のなかで「ズーク・ラヴ」に対する興味が出てきたのはパリに行ってからのことだった。
面白いのは、マルチニークとグアドループの原産音楽だとばかり思っていたズーク(・ラヴ)が、実はかなりの広がりを見せていることだった。
カボ・ヴェルデにはズーク・ラヴの別ヴァージョン(実際はほとんど一緒)のカボ・ラヴがあるし、これまた別ヴァージョン(これまたほとんどズーク・ラヴと一緒)のキゾンバはアンゴラやセネガルで人気。アンゴラといえば最近クドゥロの認知度が上がってきているけれど、実際に現地でかかっているのはキゾンバばかりだとも聞いた。
つまりはズーク・ラヴ〜カボ・ラヴ〜キゾンバがどのような関係にあるのか、いくつかの音源などを手がかりに調べているんだけど、日本にほとんど音源が入ってこないから若干難航中といった感じ(なにやらハイチのコンパとのミックスも進んでいるよう)。それこそバルベスに行けば一発でナゾが解けるんだろうけど……。
そんなわけで、現在調査中のズーク・ラヴ〜カボ・ラヴ〜キゾンバの作品をいくつかご紹介。
KAYSHA“One Love”。これが現在のズーク・ラヴの典型的ノリ。KAYSHAは日本盤も出てるので、少しは日本でも知られているかも?
彼はコンゴ生まれのアーティスト/プロデューサーで、90年代から作品をリリースし続けている人物。
アンゴラ(現在はポルトガル在住)の歌姫、NEUZAの“Nta amabo”。これはキゾンバみたい。
苦労してアルバムを入手したけど、似たような曲調が多いものの(この界隈はたいてい似たようなものばかりだけど……)、ちょっとアイドルっぽい感じもあって全然嫌いじゃない。
こちらはセネガルの首都ダカールのスーパースター、PHILLIP MONTEIROの“Elle”。
これがハイチのズーク調コンパ。MISTY JEANの“Se oue moin Vle”。もうここまでくると何が何だか……ま、こういった「ある意味どうでもいいこと」を調べるのがジャーナリストの仕事なんでしょうかね?
グアドループやマルチニークといったフレンチ・カリブの島から発生し、フランス本国経由で80年代後半に広まった音楽、それがズーク。
一時期はここ日本でも結構コンスタントにズークのアルバムが紹介されていたようだけど、今ではすっかりその名も聞かなくなってしまった。
実際、僕も80年代後半のズーク作品は2000年以降になって一通り聴いてみたものの、チープなシンセのメロディーは流石に21世紀に聴くのはツライ。
しかし、ここしばら何故かズークを追いかけていて、玉石混合ながらも、なかにはビックリするぐらいいい曲も発見したり。
ズークが気になりだしたのは、2007年にパリに行ったのがきっかけだった。
パリ中心部にはバルベスという移民街がある。ここは夜になると結構治安が悪い場所なのだが、そこにはフレンチ・カリブからやってきた移民によるレコードショップもある。そこで試しに買ってみた数枚のズーク・アルバムが思いのほか良かったのだ。
それらはR&Bテイストも濃厚で、スロウテンポのソカ、またはメロディアスなダンスホールといった趣きもある。激甘なメロディーセンスは80年代から変わらないものではあるけれど、サウンド・プロダクションが飛躍的に向上した分、クラブ・プレイにも耐えられそう(このへん、DJで実証済み)。
それが「ズーク・ラヴ」と呼ばれていることはパリに行く前から知ってはいたものの、自分のなかで「ズーク・ラヴ」に対する興味が出てきたのはパリに行ってからのことだった。
面白いのは、マルチニークとグアドループの原産音楽だとばかり思っていたズーク(・ラヴ)が、実はかなりの広がりを見せていることだった。
カボ・ヴェルデにはズーク・ラヴの別ヴァージョン(実際はほとんど一緒)のカボ・ラヴがあるし、これまた別ヴァージョン(これまたほとんどズーク・ラヴと一緒)のキゾンバはアンゴラやセネガルで人気。アンゴラといえば最近クドゥロの認知度が上がってきているけれど、実際に現地でかかっているのはキゾンバばかりだとも聞いた。
つまりはズーク・ラヴ〜カボ・ラヴ〜キゾンバがどのような関係にあるのか、いくつかの音源などを手がかりに調べているんだけど、日本にほとんど音源が入ってこないから若干難航中といった感じ(なにやらハイチのコンパとのミックスも進んでいるよう)。それこそバルベスに行けば一発でナゾが解けるんだろうけど……。
そんなわけで、現在調査中のズーク・ラヴ〜カボ・ラヴ〜キゾンバの作品をいくつかご紹介。
KAYSHA“One Love”。これが現在のズーク・ラヴの典型的ノリ。KAYSHAは日本盤も出てるので、少しは日本でも知られているかも?
彼はコンゴ生まれのアーティスト/プロデューサーで、90年代から作品をリリースし続けている人物。
アンゴラ(現在はポルトガル在住)の歌姫、NEUZAの“Nta amabo”。これはキゾンバみたい。
苦労してアルバムを入手したけど、似たような曲調が多いものの(この界隈はたいてい似たようなものばかりだけど……)、ちょっとアイドルっぽい感じもあって全然嫌いじゃない。
こちらはセネガルの首都ダカールのスーパースター、PHILLIP MONTEIROの“Elle”。
これがハイチのズーク調コンパ。MISTY JEANの“Se oue moin Vle”。もうここまでくると何が何だか……ま、こういった「ある意味どうでもいいこと」を調べるのがジャーナリストの仕事なんでしょうかね?
by hazimahalo
| 2009-04-20 02:04
| カリブ